2001年12月1日

「浄土宗21世紀人権アピール」への取り組み

 2001(平成13)年1210日、浄土宗が「浄土宗21世紀人権アピール」を出した。浄土宗のホームページでは、同アピールを紹介するとともに、人権とは何かの理解を深め、現代社会に対してその重要性を読者の皆様とともに広く社会に提示していきたいと願うものです。

 国際連合は21世紀を人権の世紀とするため、1995年から2004年を「人権教育のための国連10年」と宣言し、人権文化を築きあげる活動が世界各地で進められています。

 20世紀の100年間は、人類の生活に豊かさをもたらす、あまたの技術革新が生み出された反面、多くの戦争・民族紛争が発生し、人権侵害や抑圧が世界に蔓延しました。また、身近な問題としては、児童虐待や家族内暴力、性的いやがらせ、さらには、情報化社会の発達によってもたらされた、インターネットの匿名性を悪用する人権侵害も発生するようになっています。

 ときあたかも浄土宗は「浄土宗21世紀劈頭(へきとう)宣言」で万民平等を説いた法然上人の念仏を通した真実の生き方を世界に広げ、共生社会を具現することを宣言いたしました。

 しかし、浄土宗の長い歴史の中においては、その教えに反して時代と迎合し、差別戒名を付与するなど、差別に加担した消すことの出来ない恥ずべき事実があり、また、現代においても差別の体質が残っていることを否定することはできません。

 浄土宗は、このようなことを深く懺悔するとともに、あらためて宗祖法然上人の万人平等の教えに立ち返り、同和問題をはじめとする全ての差別問題に対し、固有の経緯等を十分認識し、今こそ、地球上に住む全ての人々が自由で平等に生存する権利を確立し、豊かな社会を築いて行けるよう、釈尊の教え、法然上人の導きのもと、手と手をつなぎ、その輪を広げて行くことこそが果たさねばならない使命であろうと考えるのです。

 皆さま方と共に、人権の問題を考え、明るく、正しく、仲良く生きることの出来る世界を作りあげましょう。