授戒会編 第4回
法話② 「いかに戒を伝えるか」
本講座は、浄土宗における円頓戒の歴史や思想を理解し、法話や法儀といった現場での活用方法を習得するとともに、全講座を受講することで、授戒会の開筵を目指すために必要な知識や実践について学ぶことを目的に開設する講座です。
全6回の教義、布教、法儀の講義及び実習を効果的にプログラム編成することで、全講義を通じて総合的な戒の理解と戒を説くための実践について学びます(※各回、申し込みが必要です。部分受講が可能です)。
講師
後藤 真法
大本山増上寺布教師会副会長
東京教区圓通寺住職
講義概要
講義① 十二門戒儀(真の仏弟子となる)
前回の講義(法話①)における先生方の内容をふまえて、今講座では具体的に勧誡(説戒)をシミュレーションしたいと思います。実際の授戒会では席数がもっとあるため、「十二門戒儀」の内容に入る前にさらに序説をもって、ゆっくりと受者を開導していくことになりますが、この講義①においては、(真の仏弟子になる)と題し、「十二門戒儀」の前半部において、受者に「本日より自覚を持って仏教徒となっていただく」という心構えを説くことを中心とします。
講義② 十二門戒儀(十重禁戒を中心に)
「十二門戒儀」の中心は当然ながら第七正授戒であります。これに相伝戒と発得戒があり、発得戒とは三聚浄戒のことを指します。儀式の前行である勧誡においては、特にこの三聚浄戒、さらには第十説相において十重禁戒を説くことで、より具体的に仏教徒としての生き方、戒を持つということを受者に実感していただくのです。戒を持つことは、戒に拘束されるのでは無く、積極的に理想的な生き方を習慣づけるということです。
講義③ 持戒(法然上人ご法語に学ぶ)
浄土宗における授戒会といえども、まずは正授戒により真の仏弟子となっていただき、その後、念仏者としての自覚を持って頂くという順番になると思います。また、仏教者として持戒することと、念仏者になることとは、その目的と意義は違いますが、最終的には両者は相互補完しあって、「破戒」の自覚→「念仏」というスパイラルが形成されることが望ましいのです。ここでは法然上人のご法語を学び、仏教徒として、念仏者としての心構えを説きたいと思います。