御法語編 第20回
「慈悲加祐」「滅罪増上縁」「護念増上縁」
本講座では『元祖大師御法語』を読み解き、改めて法然上人の御教えを感じ日々の教化活動等に活用していただきたく開講いたします。
法然上人の教えを正しく伝えるためにはまず、教えを正しく受け止める必要があります。この機会に、共に『元祖大師御法語』法然上人の御言葉に込められた心を読み解きましょう。
講師
華頂短期大学准教授・総本山知恩院浄土宗学研究所副主任 伊藤 茂樹 (奈良教区 称念寺)
講義概要
後篇23「慈悲加祐」
念仏をとなえれば阿弥陀仏の来迎に預かることが出来
ます。ただしその条件は、心が乱れないことです。平
安時代の浄土教は、自力で善業を積み重ねることによ
り来迎を受けるとされますが、法然上人は阿弥陀仏が
来迎されることによって行者が心乱れず正念になるとさ
れます。専修念仏における来迎観を中心に法語を学び
ます。
後篇24「滅罪増上縁」
南無阿弥陀仏ととなえれば誰もが救われる。法然浄土
教の本質は平等救済にあります。『観無量寿経』には、
五逆を犯した者でも南無阿弥陀仏ととなえれば救われ
ると説かれます。十声、一声の念仏はまさに仏の本願
によるもの。どんな罪人でも救われるという法然浄土教
の本質を法語から学びます。
後篇25「護念増上縁」
念仏は三心を具足すれば極楽に生まれる。『観無量
寿経』に説かれています。そのような志のある人に、阿
弥陀仏は八万四千の光明を放ちます。阿弥陀仏の光
明は、念仏者を平生から臨終まで捨て去ることはありま
せん。本法語より阿弥陀仏の救いの利益を学びます。