御法語編 第4回
「万機普益」「安心」「小消息」
本講座では『元祖大師御法語』を読み解き、改めて法然上人の御教えを感じ日々の教化活動等に活用していただきたく開講いたします。
法然上人の教えを正しく伝えるためにはまず、教えを正しく受け止める必要があります。この機会に、共に『元祖大師御法語』法然上人の御言葉に込められた心を読み解きましょう。
講師
伊藤 茂樹 (奈良教区 称念寺)
華頂短期大学准教授・総本山知恩院浄土宗学研究所副主任
講義概要
「万機普益」
仏法には様々な修行があります。理観、菩提心、読誦大乗、真言、止観等。優れた修行は多くありますが、末法になれば効力のない行となります。末法を過ぎて法滅の時代にあっても、念仏往生はとどまります。念仏の教えのすごさはここにあります。末法に入ったばかりの衆生が念仏で救われるのは当然のことです。念仏が諸宗の教えや諸行に優れていることを示す「万機普益」の法語を学びます。
「安心」
『観無量寿経』には、念仏を申す者が三心を備えることの大事さが説かれます。三心とは至誠心、深心、回向発願心。善導大師、法然上人は三心を重視しました。浄土往生には三心は必須です。また念仏者の心のあり方を知るのは大切なことです。「安心」の法語を学びます。
「小消息」
「小消息」は日常勤行でも読まれる有名な御法語です。ここには、 末法の衆生の救いとして、最も重要な本願念仏のあり方が説かれています。唯声を出すだけでなく、意味をかみしめて読むことも大切なことでしょう。私たちに身近な「一紙小消息」について、内容をしっかりと学んでゆきたいと思います。