御法語編 第5回
「深心」「正雑二行について」「二行得失」
本講座では『元祖大師御法語』を読み解き、改めて法然上人の御教えを感じ日々の教化活動等に活用していただきたく開講いたします。
法然上人の教えを正しく伝えるためにはまず、教えを正しく受け止める必要があります。この機会に、共に『元祖大師御法語』法然上人の御言葉に込められた心を読み解きましょう。
講師
伊藤 茂樹 (奈良教区 称念寺)
華頂短期大学准教授・総本山知恩院浄土宗学研究所副主任
講義概要
前編11「深心」
阿弥陀仏への深い信心を「深心」といいます。三心の中で最も重要といえます。浄土宗では阿弥陀仏への信心の深まりは、機・法という二種の観点から深めてゆきます。行者がいだく深心の重要性を、法語からお話しします。
前編12「正雑二行について」
法然上人の教えの特質は「捨閉閣抛」の四字であらわされます。すなわち聖道門、雑行を「捨閉閣抛」し、阿弥陀仏の本願の称名念仏に辿り着くことになるのです。本法語は『略選択』とよばれる『選択集』の一文でありますが、法然上人の選択思想の要点を適切に述べた法語です。「選択」の意義を学んで行きます。
前編13「二行得失」
極楽往生の行について、「念仏ならば10人なら10人、100人なら100人全員が必ず往生する」とは善導大師『往生礼讃』のお言葉です。阿弥陀仏・釈迦如来の御心に適う行は、念仏に他なりません。専修・雑修について、法語から詳しくお話しします。