授戒会編 第5回
法儀① 「授戒会を開筵するために」(準備編)
本講座は、浄土宗における円頓戒の歴史や思想を理解し、法話や法儀といった現場での活用方法を習得するとともに、全講座を受講することで、授戒会の開筵を目指すために必要な知識や実践について学ぶことを目的に開設する講座です。前回までは、戒を理解し、説くための教義・布教について学びました。今回からは、授戒会開筵のための準備説明と、実際に授戒会の道場を設えて作法の実習などを行います。第6回は開筵までの準備、剃度式・正授戒の心得などについて講義します。
講義概要
授戒会開筵の準備
初めて授戒会を開筵するためには、少なくとも2年以上前から伝戒師・勧誡師(説戒師)・教授師などの主要な役職や日程などを決めて、準備を始める必要があります。時間割の決定、受者の募集、伝巻類や仏具・法具の確認・手配、その他の事前準備について講義します。
剃度式の心得
授戒会の前半に行う開白法要、剃度式などについて講義します。開白は受者が戒を受ける心を調えるための大切な法会、剃度式は釈尊のお弟子になるためにお剃刀や三帰三竟を授ける式です。これらの儀式で行う様々な作法や、伝法の法会に欠かせない洒水の修法を講義・実習します。
正授戒の心得
正授戒は、釈尊から法然上人、そして代々の祖師方によって伝えられてきた「十二門戒儀」に基づく授戒会で最も重要な儀式です。伝戒師の心得や諸作法、左右の脇師の作法などを説明し、次回の授戒会実習に繋げていきたいと思います。