布教編 第2回
「法話のい・ろ・は」(後編)
「話すことが苦手」「何を話せばいいかわからない」「お説教は布教を勉強した教師が行えばいい」といった理由から、お檀家さんに法話することを避けていませんか?
布教伝道規定第二条に“本宗の教師は布教伝道を行うものとする。”とあるように、布教伝道し檀信徒を教化することは本宗教師の使命です。
本講座では法話の基礎基本を丁寧に解説するとともに、通夜葬儀や年忌といった代表的な布教機会における10分程度の短い法話への活用を年間テーマとし、教師一人ひとりの布教に対する意識喚起と知識習得・実演の拝聴をもって様々な場面において本宗教師が使命を全うするための一助となることを目的に開設します。
講師
安永宏史 先生(福岡教区 生住寺)
講義概要
各講義の内容(講師からのメッセージ)
いくら布教を学んでも、実際に「人前で話すのは緊張する」「なかなか思う通りに話せない」と感じている人は少なくないと思います。「初入(そにゅう)はまことに入り難し、入り難きをもって入らずば終(つい)に入らずして止(や)みなんものか」『説法式要』とあるように、初めは皆、人の前に立つだけで頭の中が真っ白になって難しいものです。
さらにその状態で内容を整理せずに話されると、聞いている側には、話の趣旨がさっぱり伝わってきません。
布教書の『沛雨遺書』に、「抑々(そもそも)人の意見に一定の順序あるべきは人心の自然の要求なり」とあって、法話に順序を立てることは必要条件だと示されています。今回は、どのように話を順序立てれば聞き手により伝わるのか、「法話の構成法」と実例を挙げて解説いたします。