人権アピールをはじめとした各種声明
2008年11月19日
浄土宗は2001年、
「愚者の自覚を、家庭にみ仏の光を、社会に慈しみを、世界に共生を」
とする「21世紀劈頭宣言」を発表、世界平和について発言し、行動してきました。
しかしながら、本宗の近代において、軍用機を陸海軍に献納(けんのう)するなど、様々な戦争協力の事実は否定することができません。これに対し、例えば1994年、浄土門主は『太平洋戦争五十回忌法要』表白において、戦役に助力した重責に対する懺悔、すべての戦没者の鎮魂・慰霊、世界平和への祈念を表明いたしました。
わたしたちは、そのこころを受け、浄土宗が世法の国策に従いいかなる言動を行ってきたか、歴史的検証を行うことこそ、世界平和の実現に、あらためて必要なことだと確信します。
わたしたちは、自らの愚(おろ)かさを自覚したうえで、戦争責任について自省し、アジア太平洋地域の人々の人権と尊厳を侵し、戦争による惨禍と多大なる犠牲を強いたことを、ここに深く懺悔します。
わたしたちは、法然上人の念仏の教えにより、再び同じ過ちを犯さないこと、すなわち被爆国広島の地において非戦・非核武装を誓い、未来に向かって慈しみにあふれた共生・平和の社会を創るために行動することを、ここに宣言します。
平成20年11月19日
浄土宗宗務総長稲岡康純